お知らせ
2021.10.01 コラム
男物 きもののたたみ方
男物のきもの、浴衣共通のたたみ方をご紹介します。
きもののたたみ方
①衿を左、裾を右にしてきものをひろげる。
②下前のおくみ線を手前に折る。衿の上の部分を内側に折りたたむ。
③上前の衿と衽を下前にぴったりと重ねる。
④左の脇縫いを両手で2ヶ所持ち、手前に引いて右の脇縫いにぴったり重ねる。左の袖も右の袖に重ねる。
⑤左袖を身頃の上に折り返す。
⑥身頃の丈を2つ折り(または3つ折り)にする。
⑦ずれないようにきものを返し、右袖を身頃に重ねる。
長襦袢のたたみ方
①衿を左、裾を右にして広げ、両脇の縫い目で折る。
②右の脇縫いがちょうど真ん中(背中心)に来るように折る。
③右袖を右の脇縫いから2センチほど控えて手前に折り返す。
④左側も同様にたたむ。
⑤身丈を2つ折りにする。
男のきもの用語集
袷(あわせ)
全体に裏地のついたきもののこと。「胴裏」「八掛」に分かれて裏のついた女ものと違い、男ものは1枚の裏地をつける。(通し裏)
裏地(うらじ)
袷のきものや羽織の裏側つける。
男ものは、礼装を除き表地が正絹でも裏地は「正花(しょうはな)」と呼ばれる綿の裏地をつけることが多い。
上前(うわまえ)
前を合わせて着たときに表側にくる方のこと。
左身頃側が上前になる。下に重なる部分を下前(したまえ)という。
これを逆に着てしまうと「左前」になって誤りである。
おしゃれ着
普段着よりはあらたまった、お出かけ着。
洋服で言えばスーツにネクタイあたりから、ノーネクタイのジャケット+スラックス、といった感じで幅広い。
御召や柔らかさのある縮緬、光沢のある紬など自由にコーディネートを楽しめる。羽織や袴を合わせればパーティーなどにも。
御召(おめし)
徳川11代将軍・家斉が好んだことからこう呼ばれるようになったと言われる絹織物。
糸の段階で精錬し、先染めしたものを織り上げるので、独特のシボと上品な光沢、柔らかさを併せ持った品格のある生地となる。
礼装ではないが適度なきちんと感のある着こなしができるのでカジュアルなパーティーやレストランでのディナーなどにおすすめ。
羽織や袴を合わせればさらに礼装感をアップできる。
角帯(かくおび)
男性が締める織りの帯のこと。幅は約9㎝、長さは約4メートル。
御召や柔らかさのある縮緬、光沢のある紬など自由にコーディネートを楽しめる。羽織や袴を合わせればパーティーなどにも。
着丈(きたけ)
身長にあったきものの長さ(丈)のこと。
男性のきものはおはしょりがないので、首の付け根からくるぶしまでの長さが着丈となり、それを「対丈(ついたけ)」という。 長襦袢は男性も女性も対丈となる。
着流し(きながし)
男性の和装で、羽織も袴もつけない姿のこと。略装とされる。
ちなみに女性の場合は羽織を着ないほうが正式で、それを着流しとは言わない。
御召や柔らかさのある縮緬、光沢のある紬など自由にコーディネートを楽しめる。羽織や袴を合わせればパーティーなどにも。
下駄(げた)
歯のある木の台に鼻緒をすげたはきものの一種。
近年は歯のないぞうり型や、裏にゴムを貼って音がしないようになっているものなど、主にゆかたに合わせてさまざまなタイプがある。
甚平・甚兵衛(じんべえ)
夏の男性あるいは男児用のホームウエア。
膝丈くらいで袂(たもと)のない筒袖、帯は締めずに衿先と脇縫いについたひもを結んで着る。今は共の半ズボンを履くのが一般的。
雪駄(せった)
もともとは竹皮ぞうりの裏に革をはって、防水機能をつけたもの。
昨今は男性用のぞうりをさすことが多い。
反物(たんもの)
きもの1枚ができる長さの用布。きもの生地のこと。
呉服店の店頭にある、筒状に丸められた布地が反物である。
長襦袢(ながじゅばん)
きものの下に着て、着姿を整える役をする下着。
衿部分には半衿を縫い付けて着用する。
礼装用は白だが、それ以外はさまざまな色柄があり、見えない部分のおしゃれを楽しめる。
羽織(はおり)
きものの上に着る丈の短い上着。衿を外側に折り、前は羽織紐で留めて着る。
男性の場合は羽織を着るのがより正式な装い。
コートなどと違い、室内でも脱がなくてよい。
袴(はかま)
きものの上からはき、ひもで結ぶタイプの下衣。
長く男性の礼装として用いられた。
半衿(はんえり)
おもに長襦袢の衿に縫い付けて使用するもの。
男性は、礼装用の白の他、紺、グレー、茶色が多い。
きものの色とコーディネートして衿元のおしゃれを楽しめる。
普段着(ふだんぎ)
近所への外出や家の中、気軽な食事の場など、日常のカジュアルなシーンでの装いのこと。
きものなら、木綿、ウール、麻、化繊といった素材のもの。着流しスタイルが基本。
兵児帯(へこおび)
男性、子供が使用する、布製のしごき帯(芯のない布帯)のこと。
角帯より結ぶのが簡単であることから、近年は男性の浴衣姿に多く見られる。絞り染めのものが上等。
紋付羽織袴(もんつきはおりはかま)
一般的な男性の和装の第一礼装とされるスタイル。
裃が廃止された明治以降に定められた。黒羽二重染め抜き五つ紋付きのきもの、同様の羽織、黒または茶の仙台平の袴を合わせるのがもっとも格式が高い。
着ていく場所や集まりの趣旨、立場などにより、どの程度の礼装とするかを考えて、色や素材、紋の数やタイプを選ぶ。
浴衣(ゆかた)
夏に着る、裏地のない単衣のきもの。
綿、麻の他、近年は速乾・吸湿性の高いポリエステルのものも人気。男性は角帯か兵児帯を合わせる。
足元は素足に下駄や雪駄を履くのがオーソドックスである。
裄丈(ゆきたけ)
和服の背中心から袖口までの長さのこと。
和服の場合、「袖丈」というと袂(たもと)の長さのことになるので注意。
礼装(れいそう)
結婚式などの冠婚葬祭、成人式、卒業式などの式典などフォーマルな場所での装い。
礼装には、招いてくれた相手に礼を尽くし祝福の気持ちを伝えたり、恩人に対して感謝を表すといった大事な意味がある。単なるコスプレにならないよう、気持ちのこもった品格ある装いを心がけよう。