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2021.10.01 コラム

きものの種類と着る場面

きものには種類に応じた「格」があり、それぞれ着用するシーンが異なります。

ここでは、代表的な種類のきものと着用の基本ルールをご紹介します。

(個々のきもの、帯の特徴や着る場所、集まりの趣旨等によっては、この限りではありません。)

 

黒留袖

黒地で裾に模様が描かれた既婚女性の第一礼装

 

もっとも格式が高く、箔や刺繍で豪華な模様が裾に描かれています。

主に結婚式や披露宴に出席する新郎新婦の母親や親族、仲人の女性が着用。金地や銀地の格調高い帯を合わせます。

 

合わせる帯 袋帯

 

色留袖

未婚女性も着られるお祝い用の礼装きもの

 

未婚・既婚を問わず着ることができ、五つ紋付きの場合は黒留袖と同格に装えます。

着る場面を広げたい場合は、三つ紋や一つ紋に。礼を尽くしたお祝いの席などに、華やかな明るい色の色留袖は最適です。

 

合わせる帯 袋帯

 

ふりそで

長い袖丈が豪華な未婚女性の第一礼装

 

成人式の衣裳としておなじみですが、結婚式、卒業式、お正月の集まりやパーティーなど幅広く着用できます。

色柄も華やかな古典柄から個性的なモダン柄、無地感覚のモードなデザインなど様々なタイプがあります。

 

合わせる帯 袋帯

 

訪問着

おしゃれも楽しめる準礼装

 

留袖、ふりそでに次ぐフォーマルきもので、おしゃれの要素も含みます。

仮絵羽といって、染める前の白生地をきものの形に仮縫いしたものに柄を染めて作ります。

未婚、既婚を問わず着用できるので披露宴やパーティーはもちろん、お茶会、入卒式や七五三などの付き添いなど幅広い場面になじみます。

 

合わせる帯 袋帯

 

つけさげ

控えめながらきちんと感のあるお出かけ用きもの

 

つけさげは、訪問着を簡略化しようと考案されたきもの。

訪問着と違って反物を染めて作りますが、仕立てると模様はすべて上向きになり、訪問着と同じような柄づけになります。

着て行ける場面も訪問着とほぼ同じですが、シンプルなデザインが多く洋服感覚で着こなせるのも魅力です。

合わせる帯 袋帯 名古屋帯

 

色無地・江戸小紋

紋の数や色によって、着用シーンを選べる便利なきもの

 

紋を付ければ略礼装として、あらたまった装いにもなる色無地。

一見無地のように見える江戸小紋も極小柄のものは色無地と同格に装えます。

紋がついていなくても、合わせる帯次第でフォーマル度の調整ができる便利なきものです。

 

合わせる帯 袋帯 名古屋帯

 

小紋

ちょっとしたお出かけにふさわしいオシャレ着

 

同じ模様が繰り返される柄が特徴。

基本的には気軽なお出かけ用ですが、上品な色柄であればお呼ばれやパーティーなどにも着られます。

デザインや合わせる帯によって様々な場面で活躍するので、持っていると何かと重宝するきものです。

 

合わせる帯 名古屋帯 半巾帯など

 

産地ごとに多彩な魅力を持つカジュアルきもの

 

全国各地で生産される紬は、それぞれの地域の伝統技術はもちろん、自然や環境に根ざした素材や柄によって独特の個性を持つきものです。

中には結城紬や大島紬といった大変高価な紬もありますが、あくまでカジュアル着なのでフォーマルな場面での着用は基本的にはNG。

気軽な食事会や街歩き、ショッピングなど、思う存分自由な着こなしを楽しみましょう。

合わせる帯 名古屋帯 半巾帯など

 

ゆかた

真夏の風情を感じられる遊び着

 

江戸時代に湯上り用のきものとして広まったゆかた。

現代では、夏のイベントに欠かせない定番アイテムになりました。

通常はさらりと一枚で着るものですが、上等なゆかたなら半衿を付けたり足袋を履いたりして、少しよそゆきな夏きもの風の着こなしもできます。

 

合わせる帯 袋帯 名古屋帯